英語授業の独り言

英語習得へのロードマップ

昨今、オンラインの通信環境が整ったおかげで、これまでの英会話スクールに加えてオンラインで行う英会話スクールが増えました。実際、オンラインであろうとなかろうと英会話スクールに通って英語が話せるようになる人はどの程度いるのでしょうか。

これほど英会話スクールがあふれているということは、学校の授業では英語は使えるようにならないということを意味しているのでしょうか。もし、そうなら、それはとても寂しいことです。できることならば、学校で行う授業で英語を使えるようになってほしいものです。

学校の授業で用いられる英語の教科書は、どのような考えのもとで作られているのでしょうか。英語習得のロードマップがあって作られているはずなのですが•••。
小学校の教科書は、単元ごとに状況が設定され、その状況の中で使われる表現を習得することを中心に作られています。令和6年度から改訂になったNew Horizon 5では、Unit 1で自己紹介の場面が扱われています。
How do you spell your name?
What subject do you like?
Let’s play – together.
この3つが主な表現でしょうか。中学校になると文法を中心として教科書が作られています。各単元で習得すべき文法が設定され、文法を覚えるための授業が展開されがちです。

これは、言語習得の過程とズレがあります。フレーズ暗記は大切ですが、言いたいこと、身の回りのことを表現することとは異なります。インプット量が少ないうちは、疑問文を発することはできません。ところが授業では、疑問文とその答え方をパターンプラクティスで記憶し、インタビュー等のアクティビティで使ってみようとなります。そうでなければ多人数で行う学校の授業は成り立たないのでしょう。

言語習得の第一歩は身の回りのものを英語で言うことからです。その後、動詞を加えて2語文が話せるようになり、主語を加えて3語文に増えていきます。小学校の英語の授業でも、この2語文や3語文で自分の行動を表現する練習を行う必要があるように感じます。それをやらずしてフレーズを暗記し続けても言語感覚は育たないでしょう。

そして、中学校に入り、be動詞と一般動詞とは何か、疑問文・否定文の作り方を教わります。文法のテストを行い、できなければよい成績はもらえません。だから、ペーパーテストで点を取れるようになるための授業や塾が求められ、筋肉増強剤を打ち続けているような状態になります。でも、適度な練習が行われないため、使えないまま知識だけが増えていきます。野球で言えば、カーブを投げるときのボールの握り方、手の振り方は説明できるけど、実際にはカーブを投げれない状態です。

では、英語習得へのロードマップはどのようなものなのでしょう。