授業づくりの考え方

教科書を教えていませんか?

教壇に立ったばかりの頃、先輩先生の授業を見せてもらう機会がありました。

どの先生も教科書の本文をいかに理解させるかを考えていました。その結果本文を精読する授業ばかりが行われていました。

わたしは違和感を覚えました。教科書に書かれている英文に意味はなく、文法や単語を理解するための英文に過ぎないと感じたのです。いわゆる暗号解読と何ら変わりありません。単語と英文法という鍵を見つけ、それをヒントに英文という形式になった暗号を解読している、そんな感じでした。

わたしが目指す英語の授業はこんなんじゃない!わたしがこんな授業はしない!そう決意したのを今でも覚えています。その先生たちは教科書を教えていました。英語は言語です。身につけた単語と英文法を駆使して、何を伝えるか、どう伝えるかが大事です。まとまった教科書を通して何を身につけさせたいかがあるはずです。

例えば、1年生の秋から冬ごろに扱うと思われる現在進行形で考えています。教科書は以下のような本文だったとしましょう。あなたは、この単元をどう料理しますか?

During our winter vacation, my family and I went to Paris. We stayed there for a week, and on the afternoon of December 26th, we visited the Louvre Museum. We spent three hours. lt is full of interesting things like art and historical things. It was so cool!

In the evening, we went to a big theater to watch a musical. My favorite actor was the main character, and it was amazing. We heard wonderful songs and enjoyed the show very much. This winter vacation became a good memory for us.

教科書を教えようとすると、ひと昔前に見た授業が頭の中に浮かんできます。先生が「いつパリに行ったの?」「誰と行ったの?」「どのくらいいたの?」こんなふうに問いかけて内容を理解させようとします。ちょっと頑張ると”When did they go to Paris?” “Who did they go with?” “How long did they stay there?”なんていうように英語に変えてQ&Aを行うのでしょうか。でも結局やっていることは同じ。困っている先生はこのやり方から抜け出せません。

Activity Basedで考えてみよう

以前の記事でも紹介しましたが、Activity Vasedで授業を組み立てることをオススメします。本文理解もどんなActivityができるんだろうと考えてみたらどうでしょうか。何ができたら本文を理解していると言えるかを考えるということです。Information Transfer Activityを行ったり、読んだ内容をリテリングさせたりするのもよいでしょう。例えば、挿絵があって、読んだ内容を挿絵を使いながらリテリングさせればどの程度内容が理解できているかわかります。もし、英語が苦手でどうしても英語で取り組むのが難しい生徒なら、内容を理解しているかどうかがその授業の目標なので、日本語でリテリングさせてもよかもしれません。ペアで発表させてもいいし、先生のところに伝えに来る形式にしてもよいでしょう。アイデアは様々です。とにかく読んで終わりにならず、教科書の本文を理解するだけの、「教科書を教える」授業から脱却しましょう。

とは言っても、そのアイデアが出てこないから困っているんですよね。そんな悩みを解決する『英語の先生レッスンブック〜Activity編〜』がもうすぐ完成します。ぜひ、手にとってみてください。レッスンブックに載っているアイデアをアレンジすればいろんなActivityを生み出せるよになるはずです。

英語で英語を読む授業 [ 卯城祐司 ]

価格:2420円
(2024/10/9 00:00時点)
感想(1件)

\この本はメルカリでも購入できます/