文部科学省は、言語活動を通して英語の資質・能力を向上させていこうと提唱しています。
言語活動を通して、簡単な情報や考えなどを理解したり表現したり伝え合ったりするコミュニケーションを図る資質・能力を育成することを目指す。(中学校学習指導要領解説 外国語編より抜粋)
そして言語活動を次のように定義しています。
言語活動は、言語材料について理解したり練習したりするための指導と区別されている。実際に英語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合うという言語活動の中では、情報を整理しながら考えなどを形成するといった「思考力、判断力、表現力等」が活用されると同時に、英語に関する「知識及び技能」が活用される。
(中学校学習指導要領 外国語編より抜粋)
つまり、知識や技能がある程度身についた状態でそれを活用するために行われる学習活動であることがわかります。このような言語活動に取り組むことで運用能力は高まっていくことでしょう。
しかしながらわたしが思うに、この言語活動を授業で行うことに問題もあります。それは時間数が圧倒的に足りないということです。また、知識や技能がある程度身についていなければとても難しい活動になります。大切なことなのですが、知識や技能を身につけるための活動も必要なことは間違いありません。だから、わたしは言語活動ではなく知識や技能を身につける活動も含めてアクティビティをベースに授業を展開してはどうかと考えています。
わたしの考えるアクティビティの定義は、
生徒一人一人が自分で取り組まなければ成立しないもの
です。意味の伝達が必須条件ではありません。講義を聞いてノートにまとめるだけの授業ではなく、身につけたい知識や技能があり、それを身につけようとActiveに取り組むことがアクティビティの定義と言えるのではないでしょうか。
文科省が提唱している言語活動はどこか腑に落ちないことがありました。それをアクティビティという言葉に置き換えると妙にしっくりきたのを覚えています。近年では様々なスクールがオンラインで立ち上がり、英語コーチと呼ばれる職も目立つようになりました。彼らが行っているレッスンは、学校現場で言われている言語活動も行いますが、それよりもトレーニングに近いレッスンを多く行っています。そして成果が上がっている。もちろんそれら全てが学校教育に当てはまるわけではないかもしれませんが、学校の授業はどこか英語習得には遠回りな気がしてしまうのです。彼らが行うレッスンも、わたしのイメージするアクティビティには含まれています。
アクティビティの具体は少しずつ触れていこうと思いますが、英語教育に様々なメソッドがある中の一つにActivity Basedという考え方も含まれていくといいなと考えています。